No.312
2013/05/28 (Tue) 04:06:15
ロサンゼルスへ到着 旅慣れない50Lのスーツケースを転がし、背中にはカメラ機材をぎっしり詰め込んだリュックサックを背負い、11月の肌寒い羽田空港を飛び立った。そう、アメリカへ向かったのである。 単身でアメリカへ、しかも一ヶ月も周遊する旅は初めてだった。中学生の頃、交換留学生として一度だけオレゴンのポートランドへ行った事があったが、それ以来は憧れとしてだけの存在だった。 それにしても久しぶりの飛行機はテンションがあがる。機内では時間帯の都合もあり映画は特に見なかったが音楽チャンネルで先日出たばかりの森高千里SINGLESが延々と流されていたのは、まだ買えていなかった僕にとって嬉しかった。他にも山下達郎の専門チャンネルなんかもあって半々くらいで聞いていた気がする。不思議と洋楽チャンネルに合わせなかったのは暫く日本文化から遠のいてしまうためか、潜在的な不安か、もしくはあまり良い曲が流れていなかったからかは定かではないがとにかくあまり聞かなかった。 そうこうしているうちにランディングアプローチへ入ったとアナウンスが入る。閉められていたサンシェードを開けると海上から陸地が見えてきた、アメリカ大陸だ。 時刻は夕暮れ、大きく伸びるフリーウェイには規則正しく並ぶヘッドライトとテールランプが輝き、海岸線の道路脇には大きなヤシの木が見えてきた。カリフォルニアの大地を紅く染めながら水平線へと沈んで行く美しい夕日を受けながら、機体はLAXへと降り立った。 少し話がずれるが、ロサンゼルス国際空港、略してLAXの読み方が「ラックス」なのか「エル・エー・エックス」なのか暫く迷っていたのだが、どうやら後者の方が正解らしい。出国前に滞在地を舞台とする映画を何本も見直していたのだが、その中の確かファイトクラブでエル・エー・エックスと発音していた。 Los Angeles International Airport 1 World Way, Los Angeles, CA 90045 http://www.lawa.org/welcomelax.aspx ロサンゼルスに来たのは初めてだった。夜間は危険だから出歩かない方がいいと何人もの経験者にアドバイスをしてもらっていたのだが、入国審査までに時間がかかってしまい空港を出たのが21時を回ってしまっていた。18時以降は外出するなとさえ言われていた僕にとっては早々の危機的状況である。 さらにインフォメーションで聞き、乗り込んだ無料シャトルバスがいつまで経っても目的地のシティバスターミナルに到着しないのだ。空港駐車場内をグルグルと回っているだけでまた一人また一人と乗客が降りて行き、結局一人になってしまった。 さすがに間違っているのではと思いドライバーに聞いてみるが、ついたら呼んでやるから待ってろとのこと。どうやらだだっ広い駐車場を全て周り終わってからターミナルへと向かうようだ。 さすがは自動車社会、バスで移動しようなどと考えたのがそもそもの間違いか。 そこからさらに乗ること十数分、LAXシティ・バス・センターに到着し、BBBことビッグ・ブルー・バスに乗り換える。目的地はサンタモニカのユースホステルだ。 もう空港からは距離が離れているためか旅行用スーツケースを持ったアジア人は目立つ。途中乗ってきたぼろぼろの服の男が小銭をチェンジしてくれとバスの中を歩き回ったあと僕の後ろのシートに座った。 日本人かと彼が問いかけた。まず日本人と言われたことに驚いた。僕はてっきりアメリカ人なんてアジアの人種を判断出来ないと思っていたからだ。意外と日本と言う国は存在感があるのかもしれない。そんな驚きもあり、ロスは気に入ったか、行った事はないが俺も日本は好きだ、などたわいない会話をした。 ここで彼がおもむろにタバコを吸うようなジェスチャーをして、ウィードを試してみるかと言っている。最初は何のことかわからなかったが、どうやら彼が手に持っているのは「ハッパ」のようだ。貴重なお誘いではあるが丁重にお断りした。これぞアメリカ、そしてさすがはロサンゼルス、ついて一時間かそこらでハッパを勧められるとは。そして後ろのイギリス人っぽいお兄さん、笑ってないでフォローしてほしいものだ。 そこから降りるバス停を間違え、夜道を歩いたりしたのだが何とか無事に宿泊先のユースホステルに到着。 後々知るのだが、サンタモニカは高級住宅地として有名で治安もよく深夜まで遊ぶことが出来るようだ。偏りの激しいアクション映画好きが高じてアメリカのイメージがすこぶる危険な物になっていたのだが、どうやら現実はそこまででもないらしい。ちなみにそのサンタモニカが運営するビッグ・ブルー・バスも治安の悪い地域は通らないので車内も比較的安全なのだそうだ。よく読めばすべて地球の歩き方に書いてあったのだから事前にしっかりと読んでおくべきだった。 受付を済ませ部屋でくつろぐ。四人部屋だが、オフシーズンだからかどうやらルームメイトは一人だけらしい。 彼はイスラエルだったか、確か中東の出身だった。長髪髭面に両腕タトゥーでいつもヘッドホンでパンクらしき曲を聞いている。第一印象はなかなか強烈だったが話していると結構面白いやつだった。ギタリストだと言う、話が合いそうだ。 ロサンゼルスでの最初の夕食を取るべく、サード・ストリート・プロムナードを歩く。せっかくだから一杯引っ掛けて行きたい、そう思っているとひときわ賑わうオープンテラスのカフェバーを発見した。 入り口の陽気な兄ちゃんにパスポートを見せ、カウンターでシーフードタコスとオススメのビールを頼んだ。あまり確認していなかったがメキシコ料理店だったらしくライムのささったコロナが出てきた。量が多く食べにくいがタコスも美味い。いい店だ、サンタモニカに居る間にもう一度こよう。 タコスは安定の美味さだ。店を出る頃には周りの人もまばらになっていた。 こうして到着した初日は終わった。 明日からはいよいよアメリカでの生活が始まる。楽しみで観光パンフレットに目を通したりしていたが移動疲れとジェットラグですぐに眠りへと落ちていた。 ただ一つ、気がかりだったのがなぜか僕のベッドだけヒョウ柄だったことだ。 Tips 今回は初日の話ということで文章メインだが、これからはもっと写真も交えて話が出来たらと思う。 ちなみに最終的な今回の旅のルートと日程はこうだ。 (ロードトリップで立ち寄った主要な場所も書き出している。日付は現地時間。) 2012/11/12 東京 2012/11/12 ロサンゼルス サンタモニカ 2012/11/17 ロサンゼルス ダウンタウン 2012/11/23 ラスベガス 2012/11/24 ネバダ レイチェル 2012/11/26 ヨセミテ国立公園 2012/11/27 モントレー 2012/11/28 サンフランシスコ 2012/12/04 ニューヨーク 2012/12/13 東京 ちなみに僕自身も旅の初心者と言うことで、よく知っている人にとってはなんてことない話が多かったりもするが、自分の備忘録としても残しておきたいので軽く流してもらいたい。 旅のお供
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Otsuki Naoki
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コンポジター
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アクション映画とロック
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去年のアメリカ旅行記を更新中。ロサンゼルスからエリア51のあるネバダ州、サンフランシスコまでドライブ、からのニューヨーク。週一更新目標。
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